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「お疲れさーん。」 「はい、乾杯。」 ビールのジョッキを静かに合わせると、渇いたのどに流し込む。 仕事が終わったあと、沢田とビアレストランに来て食事をしながら、歳暮の繁忙期をなんとか乗りきれそうなことを喜んでいた。 「しっかし今年も忙しかったなぁ。この会社に入社してから、10月始まったと思ったら、あっという間にクリスマスになるよ。」 「ははっ、そうだな。」 「考えてみたら、クリスマスの準備を何もしてないんだよ。今からどっかのホテル、予約出来るかな。早くしないと、彼女に怒られそうで・・・。」 「はあ?お前、いつの間に彼女作ったの?この前フラれたばかりじゃん。」 「あー、そのコそのコ。もう、押して押して押しまくったからな。」 「・・・この時期によくそんな時間があったな。」 「まあなー。仕事と恋愛は別だろ?」 「・・・・・まあ・・・たしかに。」 確かに、仕事と恋愛は別だと実感していた。
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