1/3
4422人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ

結婚式の2次会パーティーで初めて見た、エクボの女の子・・・ 彼女のことが気になって自然と目が勝手にその笑顔を探してしまう・・・ 俺はいつの間にか、初対面の彼女の存在に夢中になっていった。 目立つような化粧や服装をしているわけでもない。 ただニコニコとソファに座って、時々長い髪を耳に掛けながら指を毛先まで滑らせる仕草に、目が離せなくなっていく。 なんだ?・・・ なにやってんだよ、俺・・・ こんなにジロジロ見てたら気味悪いと思われるだろ?・・・ 沢田たち同期の奴等は、彼女のことなどお構いなしでいつものように、仕事上のことや毎年行くスキーの話をしている。 他部署の女子社員にとっては、おそらく退屈であろうその会話を、彼女は小さく頷きながらずっとニコニコと聞いていた。 普通の男なら、気の利いた話題をもちかけてあげるんだろうが、俺にはそんな技量はなかった。 思いきって彼女に話し掛けたい。 けれど、何を話して良いかわからない。 女性との関わりなんて「面倒くさい」と避けてきたことを、悔やんでいる自分がいた。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!