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「ねぇねぇ、ユリちゃん。ユリちゃんってば。」
沢田が彼女の肘をつついている。
「・・・は、はい!」
「あはは。やっぱ、聞いてなかったなー。」
「すみません!」
「だからさ、今度飲み会しようよ。外商の奴等と。」
「ああ、そうですね。楽しそうー。」
ソファに浅く座り直し、そう言って彼女は笑った。
ん?今、このコ・・・
無理して笑った・・・・・?
そりゃ、つまんねぇ会話に付き合ってちゃ疲れるよな・・・
それともどこか具合悪いのか?・・・
そんなことを考えて彼女を見ていたら、その目はハッと俺を見た。
真っ直ぐな瞳が、刺さった。
作られたような彼女の笑顔は、一瞬で消える。
やべぇ、目が合った・・・
ずっと見ていたのがバレたのか?・・・
咄嗟に視線を外し、盛り上がっている同期の奴等へ目を向けた。
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