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指を引き抜いて両手でショーゴの顔を掴み、無理矢理引き上げる。
驚いて見開かれる綺麗な目玉を舐めてみた。ワーオしょっぱ。イイね。
ニヤ、と笑いかけたあと、首が強引に上へひっぱられて苦しそうだったから哀れに思えてそっと離してやる。
哀れみが殺意じゃなくてよかったな?
このまま殺そうと思えば、きっと殺せるんだ。クク、冗談だよ。
「泣き虫だネ」
潤んだ瞳を瞬かせ懸命に涙を散らそうとする仕草が、叱られた子犬の様だった。
晒された剥き出しの上半身に汗が浮いている。首元を押さえて咳き込みながら震えて、上目遣いに俺を伺う黒いワンコ。
そうだな、あれに似てる。
黒色のグレーハウンド。
短い毛並みの大型犬。引き締まった長身の体躯を持ち端正に整った造形をしたショーゴは、滞りなくオス犬に見えんだよな。
コイツはたいていなんでもできるし、誠実で裏表がない。泣き虫で臆病だけど、それもアクセントとしていいと思う。
俺よりずっと上等な生き物だよ、ショーゴは。かわいいかわいい、犬っころ。
でも欠点はある。
俺に纏わりついてくること。
オス犬のくせに女のようにしなだれかかってクゥンと鳴く。変なの。馬鹿みたいだ。
「ショーゴぉー、動くのだるいから跨って」
「ぁ……ああ、わかった……」
全身の神経をこちらに向けて指示を待つショーゴにそう投げかけると、ショーゴは文句も言わずに頷いた。
ごくりと喉を鳴らして自分のジーンズと下着を脱ぎ、俺の膝を跨いでベッドに膝立ちになる。
肉棒を舐めていただけなのに、晒された足の間で控えめに主張するショーゴの屹立。
形の綺麗なそれはゆるく勃起し、とろとろと汁を垂らして濡れていた。
気道塞がれるのそんなによかったのかね? ド変態。マゾヒスト。
べーっと舌を出す。
わかんないわぁそーゆーの。俺には。
もう一つあくび。つまんね。目についたものを意味なくブチ壊してやりてぇ。そういう衝動はままあることだ。
「ん、……ふ、……」
ショーゴは緩慢な仕草でベッドサイドに手を伸ばし、無造作に引き出しへしまわれていたローションのボトルを取り出す。
手のひらに中身をまぶすとそれを自分の尻穴に突っ込んで、キツく締まった窄まりを慣らし始めた。
指を挿れた後孔から、ぐちゅ、ぬちゅ、と粘着質な音が聞こえる。
苦しそうに息を吐くところを見ると、自分では奥まで指を入れにくいのでうまく解せないようだ。
俺は口元にニマ、と笑みを浮かべて死んだ目で眺めている。
心臓は一定のテンポで鼓動しているのに、心は動かない。下手くそなショーゴはいつまで経っても奉仕も準備も本番もなに一つ上手くならない。
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