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友人は何となく顔を思い浮かべると、双眼鏡を通してステージ上を見渡した。
「あれじゃないか? ほら、右から3番目の黒髪ロング」
「違う! あれは恐らく“仁手日ナル”だ!」
「じゃあ、左から6番目の黒髪ロングの後ろにいるのか?」
「全然違う! あれは多分“有木田莉奈”だ! お前の目は節穴か? ってかメンバーの顔も名前も分からないとかファンとしてあるまじき失態だぞ!」
お前も『恐らく』とか『多分』とか言ってんじゃん。友人は心の中で呟き興奮気味の男に提案した。
「まあ落ち着け。とりあえずメンバー全員いるか確認してみようじゃないか」
「む……そうだな」
二人はステージ上のアイドル達を端から順に数え始めた。
「28、29、30……あれ? あの子って数えたっけ?」
しかしパフォーマンス中であるがため、当然アイドル達はジッとしてくれるわけがない。
「46、47、48……ダメだ。こうも動いてちゃまともに数えられん……」
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