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「彩花、姫さんみたいになろうと思わなくていいから。俺とペアで今まで通り建築設計をしていく。後は何も考えないでいい」
わたしの不安を組んで玲斗はそう言ってくれた。
神崎工務店の設計士とインテリアプランナーのレベルはかなり高い。
姫さんと律さんに憧れて全国、いや全世界から有能な人材が集まってきてる。
玲斗くんと姫さんが常にわたしの隣にいるから直接何か言われたり聞いたりはしてない。
女子トイレでインテリアプランナーとCADオペレーターの女性社員達が話してるのを聞く。
わたしは社内の女性社員から手がけた内装デザインについてに酷くけなされていた。
わたしが姫さんの後釜になると神崎工務店は倒産するとまでいわれた。
そして……神崎工務店で看板になってる売れっ子天才女性設計士がいて、彼女が玲斗を狙ってる事を聞いた。
彼女今は京都五輪で競技場の設計のオファーを受けて福岡にはいない。
わたしなんかより遥かに仕事ができる人で、わたしより玲斗にお似合いだと女性社員達は口々に話してる。
わたしがトイレに行くたびにその話をわざとのように話題にされた。
玲斗くんの結婚相手がわたしに務まるのかと不安が強くなる。
そんなわたしに玲斗も、姫さんも律さんも優しくしてくれた。
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