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貴方に相応しい恋人は……
ーー 7月1日 ーー
噂の天才女性設計士が福岡本社に帰ってきた。
「玲斗、会いたかった!!」
白いワンピースを着た清楚な感じの女性が玲斗くんに抱きついてきて、隣にいたわたしは驚く。
「……加瀬、なんでこの会社に?」
「あんな形で別れちゃったけど……玲斗の事が忘れられなくて、だから建築士になった」
話の内容から、この人が玲斗の昔付き合っていた彼女だとわかった。
「離れろ。俺、婚約してる恋人いる。だから、彼女が不安になるから仕事以外では話しかけてこないでくれ」
玲斗くんが元カノの天才女性設計士の加瀬さんに毅然とした態度をみせた。
「……わたし、玲斗に再会するために、そして玲斗に相応しくなれるよう努力してきた。だから、玲斗を諦めるなんてできない」
建築設計部意匠設計第1課は騒つく。
加瀬さんがわたしの方を見て、そして笑みを浮かべた。
たぶん……わたし相手なら勝てると思ったんだと思う。
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