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#1「空」
私はスカイ。
地球に似た環境の惑星:ブルーに送られてからX30年が経ちます。
「ブルー」で生活している生物は黄緑色の肌に真っ黒の頭髪を持っていました。時折光が反射して天使の輪のように見えるときがあり、とても人類の黒髪に似ています。
ブルーでは一番の面積をほこるコンシティのパトロール課に配属され、日夜、治安を守っていました。
そんなある日、市街地の街頭代わりになっている大きなモニターで「地球」に関するニュースが放送されていました。キャスターが天文台に上り、涙を流しながら「地球最後の日です!隕石がすぐそこま…」とカメラを見ながら叫んでいました。次の瞬間、眩い光が画面を覆い、映していた大きなモニターは、太陽を直視したように発光し市街地の隅々まで照らされました。
私はアンドロイドではありますが、言語プログラムも搭載されておりますため、ブルー人とのコミニュケーションを
通し、生物程ではありませんが感情を抱くようになりましたので、故郷の地球が隕石によって消滅したことを知り
ちょっぴり寂しいです。
しかし、この隕石の影響は地球だけに止まらず、ブラックホール爆発により出現した数多の惑星にも放射能汚染という悪魔を放ったのです。私たちアンドロイドは機械なので汚染の影響を受けませんが、生命体は徐々に数を減らしていきました。
X120年---
惑星の生物は息絶え、アンドロイドだけが残りました。
心を生ませてくれた生物はもういないと思うと体の一部が軋む気がします。
そこで私は、残った同機を探しつつ汚染空気が薄れてきた惑星ブルーで新たな生命体の誕生を期待し見守ることにしました。
どのくらいの月日が経ったのでしょうか。汚染空気の靄が晴れ、日が差し込んできたのです。
私は思いました。惑星ブルーはまだ生きていると…
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