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死にそうだっていうのに、何て嫌がらせをする後輩だろうと思った。
袋からガサガサ取り出すのも頭が痛いので、テーブルの上にざっと中身をぶちまけると、あの天然にしては気の効いた内容の中に、なぜか1個だけ菓子パンの袋が転がった。
パンケーキサンド。
バターとメープルシロップのクリーム入り。
なにこれ。
気持ちのぶつけどころがなくて、あたしは窓を開けて
「馬鹿か」
って言ってやった。
空は真っ暗で、月は消えていた。
半分のホットケーキだかパンケーキすら、誰かが食べてしまって、無くなってしまった。
それから――――新年度、職員室に彼の席は無かった。
系列校に転勤になったのだ。
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