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新月
その日、あたしは風邪を引いて高熱を出して、仕事を休んでいた。
すごい辛くてゼーゼーして、ご飯も食べられずに寝てたら、夜8時頃アパートのインターホンが鳴った。
出たら、英語科の……学校で一番若い女の先生だった。
「白石先生。具合悪いところすみません。あの、柳田先生が心配して、白石先生一人暮らしだし、食べ物とか届けたいんだけど、女の人が寝てるところに自分一人で差し入れ行くのはちょっと問題あるから、って頼まれてきたんですけど……今大丈夫ですか?」
「……ありがとう」
コンビニの袋にはスポーツドリンクとか、レトルトのお粥とか、スープとか、いろいろ入ってた。
私は持って来ただけで、買ったのは柳田先生ですから、お礼は彼に言ってあげてください。
って、彼女は帰って行った。
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