時をまつ

8

　目覚ましで起きる。いつもの朝よりものすごく眠い。
　体温を測りながら二度寝してしまう。
　ハッと目を覚まし、時計を見る。いつの間にか20分過ぎている。
　３日前から体温は下がっている。
　おまけに眠いと来れば、そろそろ今日あたりだろうと予測する。
　トイレに行くと案の定、生理になっていた。便器の水が赤く染まる。
　昨日からナプキンを着けておいて良かった。

　良かった…？

　何が良かったのよ！
　何、下着を汚さなかったことで良かったなんて言ってんのよ！
　昨日から明日あたりなるだろうって、ナプキン着けてるって、もう諦めてるってことじゃないの！

　全然、良くない！
　今月もダメだったのよ！
　ダメだったのよ！
　ダメだったのに、何、良かったなんて言ってるのよ！
　バカじゃないの？
　何、冷静になってるの？
　みんなができること、できもしないで！
　全然良くないでしょ！

　心の中で悪態をつく。涙があふれた。
　ダメだ。泣いた顔は拓人に見せられない。
　落ち着け。
　早く立ち上がって、お弁当作らなくちゃ。
　そう思うのに涙が止まらなかった。