教えて

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教えて

結局ヒロくんはそのまま家には帰って来なくて、母ちゃんにさりげなく聞いたら「お友達の家に泊まるって聞いてるわよ」って…… 聞いてすぐぱっと思い出した昨日のサラリーマン。 あれが友達……? 見た目可愛いヒロくんは、精神的にはすごく大人びてるから年上の方が気が合うって、知り合いは年上が多いみたいだけど……なんとなく友達の雰囲気じゃなかった、気がする。 っていうかホテル入ってくとこ見たじゃん…… そうなると、友達の家に泊まるっつーのは口実でやっぱあいつに脅されて…… 嫌がるヒロくんがベッドに組み伏せられてるところが浮かんできて、俺はまた泣きそうになりながら頭を振った。 早く助けてあげなきゃ……!! 俺のヒロくんが……!! そんな急く様な俺の気持ちをよそに、ヒロくんが帰ってきたのはその日の夜遅くだった。 自分の部屋のベッドの上に寝転んで漫画を読みながらも階下の様子を耳が探ってて、トントン……と階段を上がってくる音がした途端、俺はがばっと起き上がった。 あんまり勢い込んで行ったらびっくりさせちゃうから一旦自分を落ち着かせて、隣の部屋のドアが閉まってから、そーっと廊下に出た。 何故か忍び足で歩いて、ヒロくんの部屋のドアの前に立って、手をノックの形にしたまましばらく中の気配を伺う。 そしたら、急にドアが開いたの!! 「わあ!!」 思わず大声出したよ、お互い。 「びっくりした……!!あーーびっくりした……!!もーなんなの、まーくん」 胸を押さえてほんとに驚いた顔をしたヒロくんが、上目遣いに俺を見る。うわっいきなりセリフ、俺の番……! 「あ、あのね!えと…教えて欲しいことが……あの、法律のことで!!」 「……法律??」 うっわだめだ、すっげぇ疑われてる…… そうだよ~~ヒロくんには昔から嘘が通じないの~~…… だってーーヒロくん法学部だから法律!しか頭に思い浮かばなかったんだもん……! 「嘘でした……ごめんなさい……」 「はえーな!!なんだそれ!!」 ヒロくんが半笑いの顔で、でも俺の真意を探る眼はそのまま俺の出方を伺ってて、もうこれは正直に言うしかないって腹をくくった。 「実はね、ちょっとヒロくんに聞きたいことがあるの……」 ちらっとヒロくんを見ながら言った。 「何……改まって」 俺の今から話す内容はまだ分かんないだろうに、敏感に察知して少し警戒してるヒロくん。 ちゃんと、聞き出してあげられるかな……
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