後ろを振り返ってはいけない

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後ろを振り返ってはいけない

少年が部屋でじっと座っていると、浴室から両親の悲鳴が聞こえた。 少年はテーブルにあったナイフを手に取ると、浴室に向かった。 浴室の扉を開ける。 しかしそこには誰もいない。 「母さん、父さん、どこにいるの!」 少年は叫んだ。 すると、自分の後ろから物音が。 何かハアハアという呼吸の音も聞こえた。 肩に流れる息はとてつもなく嫌な臭いだった。 少年の体が冷え、汗が流れる。 これ、振り返ったらダメなやつだ。 少年は後ろを振り返らないように一歩一歩後ずさる。 背中からも何かが一歩一歩後ずさる気配がした。 少年はナイフを握っている手に力をこめる。 そしてもう少しで壁というところで後ろで「ウグッ」と言う声が聞こえた。 少年は後ろを向いたままナイフを勢いよく後ろに振った。 「オオー」 しゃがれた悲鳴が聞こえ、後ろの呼吸の音はなくなった。
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