新薬HMRー2

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「波形はBTEです!」 除細動器の心電図を読んだ看護師が叫ぶ。 「百五十ジュールにセット」僕が叫ぶと看護師が除細動器のダイヤルを回している。 僕は除細動器のエネルギー充填ボタンを押した。 『充電中です・・充電完了です。ショック可能です』 除細動器がそう告げると、僕は叫んだ。 「ショックを入れるぞ。離れて!!」 そう言ってパドル上部のショックボタンを押した。 その瞬間お義父(とう)さんの身体がビクンと跳ねた。 「心拍は?」僕は看護師に確認した。 除細動器の心電図を見ていた看護師は「まだ戻りません・・」と言った。 「もう一度だ。今度は二百ジュールで」 看護師がハイと言い、ダイヤルを回した。 『充電中です・・充電完了です。ショック可能です』 「お義父(とう)さん。陽葵(ひまり)の花嫁姿を見るんでしょ!こんな所で死んじゃいけない。戻って来て下さい」 僕が祈る様に言った。 「ショックを入れるぞ。離れて!!」 僕がショックボタンを押すと、先程よりも大きく身体が跳ねた。 しかし、お義父(とう)さんは戻って来てくれなかった。 僕と陽葵(ひまり)はお義父(とう)さんのベッド横で泣き崩れた。
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