九章:強欲

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「ちょっとぐらいならいいでしょ! それに、戦争は終わってるのにファクターを強くする必要なんてないでしょ!」 「それは……それだよ。必要になる時が来たら使うんだ。メレミアに何か作ってやりたいなら作れば良いだろ」 「皆が一緒じゃないとやーだー! シェスが声をかければ皆集まってくれるでしょ!」 「俺も忙しいつってんだろ!」  騒ぐ二人にキャニーが「シェス君、ちょっとだけなら良いでしょ?」と諭してくるが、シェスは「ワガママに付き合ってはられないッス」と断ろうとする。  だが、シロハとセリハはシェスの腕に抱きついてきた。 「クルナ先生に話を聞くだけでもいいから! それで判断してよ! メレミア姉さんが食べられなくてかわいそうっていうのは本当だから!」  シェスは抱きつかれている暖かみを感じながらも邪険にしようとしたが、キャニーに「シェス君」と名を呼ばれて諦めたようにため息を吐いた。 「んじゃクルナ先生の所に行くだけ行くッス。やるかどうかは話を聞いてからで」
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