九章:強欲

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ーーサンニア、ラリアンクス家、医務室ーー 「流動食にどう味を付けるか?」  シェスはシロハとセリハと共に医務室に来ていた。そこで[クルナ・ハルロット]からメレミアにどうやって食べ物を食べてもらうかの相談をしていた。 「そうです~メレミアさんは固形物が食べられないだけで、流動食なら口にすることができます~そこで私たちなりの味を付けたお粥のような物を作れないかと~」 「だったらなおさら俺いらなくね? 食い物の知識なんかからっきしだし」 「シェスも一緒じゃないとダメなの! そうじゃないとつまらないから!」  シロハの言い分にシェスは呆れを示す。すると[ミリィ・アンフェル]が口を開いた。 「シェス、ファクターを造るのに大変だっていうのは分かってるけど、息抜きも大事だよ。シロハちゃんとセリハちゃんはそういう事も思って言ってくれてるんだよ?」 「どう考えても遊び相手になれって感じがするんだけどな。だとしたら皆巻き込むぞ。食い物の知識なんか俺たちは無いんだから、数撃ちゃあたる戦法でな」  ミリィは「ふぇ?」と疑問を口にするが、シロハは「本当!?」と飛び上がって喜んだ。 「ディイスにエーム、エンケとキャニー姐さんとか皆巻き込むぞ。俺だけ遊ばれるのも癪だからな」  ミリィは若干苦笑いを浮かべた。
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