月の丘公園

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今日は乃ノ花ちゃんと公園で遊んだ後、かもめ食堂というところでうどんとかき氷を食べた。 その後、千波岬の灯台に行って夕日を見た。 私はどうしても、乃ノ花ちゃんと離れたくなかったけれど、明後日も会えるからと、その日はしぶしぶ別れた。 お風呂から上がって来ると、お母さんから電話がかかってきていた。 「ゆずちゃん、上がって来たよー。今、変わるね。」 優衣さんから電話を受け取る。 「もしもし。」 「結月?元気にしてるー?」 「うん!元気だよ、お母さん。」 「ごめんね。寂しくない?」 「うん、全然。とっても楽しいよ。今日はお友達と公園で遊んだの。」 「そう、良かったわね。帰ってきたら、お父さんと家族3人でご飯食べに行こうね。」 「えー!嬉しい。どこに食べ行くの?」 「結月の好きなハンバーグのお店だよー」 「本当!」 「うん。だから、いい子にしててね。」 「うん、わかった。ばいばい。」 優衣さんに電話を渡す。 「ゆずちゃん、寂しくない?」 優衣さんの声を聞いたらとたんに、お母さんに会いたくてたまらなくなって、泣いてしまった。 「よしよし。やっぱり、寂しいんだよね。うんうん。がんばった、がんばった。えらい、えらい。」 優衣さんは、私を抱きしめて頭を撫でてくれた。 声も見た目もお母さんとは違う。 けど、優しくて、あったかいのは、お母さんと一緒だった。
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