行ってらっしゃい〔創英視点〕※ちょっと下品

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行ってらっしゃい〔創英視点〕※ちょっと下品

昨日出勤間際に戒に嵌められてマンションを出るのが心底恥ずかしかった。幸い、あの言葉を聞いていた人は居なかったようで安堵したが、俺の悔しい気持ちがおさまるわけがーない。 今日は遅出の同僚と変わってもらって出勤が遅い。故に、先に出るのは戒だ。 さぁ、どんな風に辱しめてやろうかと俺の類いまれなき優秀な頭脳をフル回転させていると、「変な顔」という言葉をポコっと投げられた。 「ああん? このイケメンな俺様にむか……て……」 思いっきり罵倒してやろうと思った言葉は全部どっかいった。 目の前の男が、あまりにも妖艶な美に輝いていたから。 戒は普段から和服だ。仕事柄で着ているのもあるが、和装の方が落ち着くし動きやすいという中々珍しい超、純な日本人だ。 とはいっても、出かけるとなるとあまりにも目立って外国人やら変な服を着た集団に声をかけられるやらで色んな意味で危ないから外に出るときはポロシャツにジーパンというラフな格好で、和装は寝間着だけの状態だった。 だから、仕事着として豪華な模様の入った薄緑の着物姿を見るのは初めてだった。 俺が言葉を失っていると、戒はキョトンと首を傾げ「何だ、何も言い返さないのか?」と不思議そうに言った。 その仕草がまた可愛らしくて、俺の分身がちょっと疼いた。 「まぁ、何もねぇなら俺は行くぜ……ふあぁ」 欠伸交じりに戒はいい、服の中に手を突っ込みボリボリと胸筋辺りをかいた。 ただの20代半ばのおっさんの下品な行動でしかないのだが、その際にちらりと見える鎖骨と一瞬だけ見えた乳輪と乳首と肌色の色んなチラリズムに俺の息子様が反応する。 「待て待て待て、そんな色気爆弾を世に放つのは流石に危険だ。色気振りまき罪で捕まるだろうバカが。まずはその溢れんばかりの膨大すぎるけしからん色気を発散させねぇとな」 これは義務。これは当然の行い。 当たり前のことを脳内で繰り返しながら戒の着物の裾をがっと掴む。 その手を戒が制するようにがっと掴む。 力強いからちょー痛い 「……何、言ってんだ」 戒の目が据わり、声が低くなる。 「ああうん。もうほら、何しても俺にはかわいこちゃんにしか見えねぇじゃねぇかバカやろう。これは重傷だな。というわけで行く前に一発――」 ヤリたい という言葉は「いやお前アホか」という戒の蔑んだ視線と共に遮られた。 「何言ってんだネボスケ! お前知ってるか!? 男のストレスってもんはなぁ、好きな子の身体をまさぐって癒されるもんでこういう触れ合いは常に大事に行うべきことで欠かしてはならねぇ儀式とも言えるんだぜオタンコナス! てことでさぁとにかくこの帯を解こうではないか」 思わず鼻息が荒くなりながら俺は戒の着物の帯に手をかけた。 そして、その数時間後は。 めっちゃ遅刻の時間に、生花を頭に数本差した状態で出勤する俺がいた。 俺が勝つのは夜だけだクソッ。 覚悟してろよ俺のニャンコ野郎。
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