友人

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その言葉に、創英ははたと固まり昭を凝視する。 数秒の間を置いて、創英はばっと戒を見た。 見つめ合う2人 ……にしか昭には見えないが。 目を真ん丸と見開く創英 「だからお前言葉をあまり発さねぇの?」 ムスっとした表情で睨むような目つきで戒 「毎回言わなくてもわかるもんだろ普通は」 ちょっとムッとした顔で創英 「でも言葉も大事じゃねぇか。俺は欲しい。今すぐに」 ハン、と鼻で笑う戒 「俺が愛してない時があると思うか」 ボッと赤くなる創英 「んな……!」 にたぁ、と意地悪な笑みを浮かべる戒 「俺はいつだってお前を愛してるぜ?」 ――という会話が目だけで繰り広げられていた。 が、そんなことを昭がわかるわけもなく。 「……俺、帰っていいよな?」 ただひたすら黙って見つめあってた目の前のカップルが、いつの間にやら目尻を赤らめ、熱っぽく潤んだ瞳で熱烈な見つめ合いへと発展したのでそう尋ねた。 すると、2人はくるっと昭に向くと親指をぐっと立てた。 「「おう、いいぞ」」 口では言っていないが、目でそう言われたというのはなんとなくわかり、「え、やだ俺こいつら色に染まりたくねぇよ」とぞっとしたのでそそくさと退散した。 溺愛カップルの友人というものは、楽ではない。
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