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「そういえば、叔父上。柳生様はやはり寿命の代償を払われたのでしょうか?」
仁は徳利から酒を注ぎながら、横目てちらりと志貴をみてニヤリと笑う。
「さぁて、どうだろな。そもそも、柳生様の寿命を俺は知らねぇからな。まぁ、術が終わると同時に柳生様が死ななくてよかったわ」
そう言ってからからと笑う仁が、冗談を言っているのか、本気で言っているのかわからずに、志貴は苦笑いを返すのが精いっぱいだった。
今日のような日はこの賑やかな家族の存在が有難い。
真貴は屋敷の奥へと視線を向けた。
その先には、父誠達の室がある。
真貴と仁が帰ってきてからも、誠達は室にとじこもりっきりだった。
親子の情___そんな言葉が脳裏に浮かんだのだ。
しかし、真貴にとっての父はやはり誠達ではなく、やはり仁なのである。
目の前でだらしなく酒を呑む仁が、今日のように時折見せる姿を真貴は誇らしく思っていた。が、そんなことはもちろん、口に出しては言わないが。
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