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料理コーナーがカットされずに放送されるなら、次回の料理コーナーも出演できるという。そうなると、事務所との契約解除もひとまず撤回される。雅はクビを免れることになる。
思いがけない展開に、暁翔は浮き足だった。
「放送される内容って事前に確認できるのか? カットされるかされないか、めちゃくちゃ気になるよな」
「確認はできないんだ。放送が決まったら、マネージャーさんが連絡をくれるって。僕、どうなるんだろ……」
打ち上げとして夕食の準備をしていたので、その日は二人で食事を作り、普通に食べて雅は泊まっていった。
それから数日後、雅からスマホに『料理コーナー、放送されるって!』とメッセージが届き、番組を堂島家で一緒に見ようと約束した。
放送当日の深夜、二人はそわそわしながらリビングのソファーに座った。
テレビ画面がCMから『キラボチャンネル』のタイトルに切り替わる。
「わっ、始まった!」
雅は丸いクッションをぎゅっと抱き締め、テレビを凝視した。暁翔も隣で固唾をのむ。番組の前半はフロントの六人が発売中のアルバムから数曲、歌を披露した。
そして後半、いよいよバラエティーコーナーが始まった。まずはエプロンを身につけた金髪の聖哉が大きく画面に映る。一見してチャラく、高慢な顔つきだ。
『というわけで、もうすっかり食欲の秋だよね! 美味しいものが大好きな俺、聖哉が今回は料理に挑戦するよ! 手伝ってくれるのはこいつ!』
カメラが引き、聖哉の隣に立つエプロン姿の雅が映る。少し緊張している様子だが、画面越しでもかわいい。
『花江雅です! 聖哉、今日はよろしくね』
『よろしくぅ! こいつ、こんなかわいい系なのに、実は俺より年上なんだよ。信じられないっしょ?』
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