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「弟は堂島さんのために、できるだけ作りたいって言ってるんだけど……」  溜息をついた姉が慌てて「あっ、いえ、あの、弟がよく話してくれるの。堂島さんのことを」とつけ加えた。 「そうなんですか」 「家にも再々お邪魔してるのよね? 弟は、迷惑かけてないかしら」 「迷惑なんてとんでもないですよ」 「だったら、いいんだけど……。じゃあ、弟の副業も知ってるのよね?」  副業……。  家族にはアイドル業が副業だと思われているのか。 「ええ。最近忙しそうですね」 「そうなのよ。世間から注目されるような仕事、私はどうかと思うんだけど……。弟はほんとに、迷惑かけてないのよね?」  念を押され、暁翔は眉をひそめた。 「友達ですから、もし多少迷惑をかけられるようなことがあっても、俺は平気です」  そう答え、空いた椅子に腰を下ろす。  雅は以前、家族仲は悪くないと言っていたのだが、アイドル業を理解されていないようで気になる。それに姉は、弟が友達に迷惑をかける人間だと思っているのだろうか。ひどく心配しているように見えて妙な感じがした。
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