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 十二月に入ってクリスマスが過ぎ去り、そして大晦日の夜。  暁翔は都内のコンサートホールでキラリボーイズのライブを鑑賞した。  二流のアイドルとはいえ、ステージは十分に大きい。華やかな照明と重低音の音楽がライブを盛り上げる。観客はほとんどが若い女性だった。皆、手にペンライトや、派手なうちわを持ってライブに熱狂している。  初めてアイドルの、しかも男性アイドルのライブに参加した暁翔は、キラボのパフォーマンスだけでなく、ファンの興奮ぶりにも圧倒された。  ライブの終盤、航貴の卒業が発表された。途端にファンから絶叫のような悲鳴が上がった。続いて雅のフロントへの加入も発表され、ファンのボルテージがさらに上がる。  その声に後押しされるように、ステージ上に雅が現れた。キラキラと耀く白いスーツを着た雅が、客席に向かって手を振った。 「みんなー! これからよろしくねー!」  大歓声が湧く。スポットライトを浴びた雅は晴れやかで眩しい。暁翔の隣に立つ女性が「キャーッ!」と歓喜の声を上げた。周囲のファンも「みやびちゃーん!」と口々に叫ぶ。 「やった! ずっと応援してきた雅ちゃんがやっとフロントになったよぉ!」  隣の女性は泣き崩れてしまった。 「だ、大丈夫ですか」  暁翔が思わず声をかけると、女性は「すみません! すみません!」と泣き笑いで、よろめきながら立ち上がった。  ステージ上では聖哉が「今日からフロントはこの六人だ! 応援よろしくなー!」と叫び、ファンが再びの大歓声で応えた。
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