運命の出会い

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運命の出会い

奴隷落ち。そうなのだ。僕たちは両親が贈収賄の冤罪によって貴族の位を剥奪され、打首により処刑され、僕達も奴隷に落ちたのだ。冤罪だって事は領民や大多数の貴族は知っている。だが、冤罪を認めず処刑を命令したのは誰でもないアースロイドの父で国王ダグラス=ファン=ドラグーン。その人である。 「あの糞おやじめ!」アースロイドは小さく言い放ち、馬を降りて僕達の側まで寄ってきて、小さく耳打ちしてきた。「大丈夫、君たちは僕が守る。僕が憎いだろうけど、今は信じてくれ」そういうと、スクッと立ち上がり、奴隷商人に言い放った「この二人いくらだ?」 「エッ」商人は驚いて聞き直す。「アースロイド様が買ってくださるのですか?」 「そう言っている、いくらだ?」 いくら王族で王子といえど、まだ成人前で、見たところ12歳か13歳である。そんな少年が奴隷を買うと言うのである。 「何だ、奴隷を買うのに年齢制限があるのか?」後ろの護衛二人に大声で尋ねた。護衛は薄っすらと笑い、首を横に振る。「そうだよなあ、で、商人いくらだ。言い値でいいぞ。金は城に請求しろ!私から話しておく」 言い値でいいと言ったんだから、商人は、ホクホク顔である。「では、奴隷紋を「その、必要はない」」商人の言葉をアースロイドが割って入った。「そんなことは城でできる。お前はさっさと金を取りにいけ!」奴隷商人を、早々と追い出し、見えなくなると、そこにいた領民たちに、頭を下げた、「すまん、お前たちの領主を守れなかった。私には、まだ力がないのだ。許してくれ。」 「頭を上げてください」首輪と拘束具を外したフィリアがそばに寄り、顔を上げさせる。「解っています。今は、そういう時代なのだと、でも、アースロイド様が必ず変えて下さると信じています。いいえ、変えてください、約束ですよ。」フィリア姉さんが、そういうと、アースロイドは民の前に立ち「必ず良い国にする。それまで待っててくれ、そして、この二人は、私に預けてくれ。」そう言って、僕達二人を抱きしめた。 アースロイド13歳。フィリア12歳。僕10歳の春の出来事だった
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