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真夜中のおんぼろライトバン
「連花、お月様はね、時々職人さんが新しい月と交換しているんだ」
眠る前の僕に、そう聞かせてくれたのは、近所には変わり者といわれている絵本作家の父さんだった。
ぼさぼさの髪で、丸いメガネをかけている優しい父さんはしっかり者の母さんに言わせると「作家なんて、でたらめ屋」なので、不思議なお話を毎晩僕に語るのが得意だった。
その話はいつも、月が明るい晩に決まって父さんから聞くのだった。
今夜もまんまるい月が夜空にかかっている。
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