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蓮菜が藤森稲荷に戻ると、宇迦之御魂神と桔梗が待っていた。
「お帰りなさいませ。木蓮様」
「ただいま。私の体を守っていてくれてありがとう」
「はい。それで、悪魔はどうなりました?」
「ああ、消滅した。湊人も無事だ。あの卵は壊れたけど」
「そうですか。でも良かったです」
蓮菜が体に戻ろうとすると、桔梗が「あの」と呼び止めた。
「1枚だけ写真いいですか?」
「あ、ああ」
桔梗がどこからか借りてきたデジカメで、蓮菜の写真を撮った。
「ありがとうございます」
「それ紫苑に渡すんだろ?」
「はい。紫苑様は木蓮様が大好きですから」
「…ところで桔梗って女?」
「今さらですか? 女ですよ」
桔梗は「失礼ですね」と頰を膨らませた。
蓮菜は体に戻った。起き上がろうとすると、体にうまく力が入らない。
「ん…起きれない」
「魂を酷使した影響でしょう。体に馴染むまで少し時間がかかると思います。しばらく休んでいきなさい」
宇迦之御魂神が、優しく言った。
しばらく休んで動けるようになり、神福珠の数珠も桔梗に返した。
「天照様と天使たちへの報告は私からしておきます」
「ああ。ありがとう。天照様にもよろしく伝えてくれ」
「あとで紫苑様に会いに来てくださいね」
「ああ」
蓮菜は宇迦之御魂神へも挨拶すると、藤森稲荷を後にした。
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