131人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
『隣人ってどんな奴なん?』
「冴えねぇババアだぜ。初老くれぇの、一人暮らしのババア。あんま近所付き合いしてねぇから判んねぇけど」
コメントには質問が次々と浮上する。
『いつもこんな爆音が流れてんの?』
「いや、今日が初めてだぜ。ったくよぉ、何をトチ狂ったんだかな……おいババア、出て来いや! 眠れねぇだろうが!」
もう一度、突撃クレーマーは扉を殴った。
ついにはドアノブを握ってこじ開けようとひねってみる。
――開いた。
「お? 鍵がかかってねぇぞ!」
素手で堂々と開け放った室内は、薄暗い。
何の装飾もない殺風景な土間が、突撃クレーマーを迎え入れる。音楽だけが耳をつんざく大音量で充満していた。
ターンタ・ターンタ・タタタタタン。
「おいババア! 返事しろや!」
突撃クレーマーは土足で押し入った。
最初のコメントを投稿しよう!