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「どもッス」
突撃クレーマーはぞんざいに会釈した。
すでに深夜三時を回っている。だるくて仕方がないのだろう。深夜配信のテンションはどこへやら、まさかの第一発見者になってしまい、興を削がれた雰囲気だ。
徳憲はいったん突撃クレーマーをその場に待たせ、301号室内を見て回った。
部下たちを解き放ち、鑑識課の写真撮影、運び出す押収物を把握する。SSBCにも連絡を取り、近隣に犯人の足跡がないか探させた。
一通り確認してから、改めて突撃クレーマーに相対する。
「発見したときの状況を教えていただけますか? えーと……」
「鴨志田恒太ッス。ウェブじゃ『突撃クレーマー』って名前ッスけど」
鴨志田はぶっきらぼうに自己紹介した。
事件の捜査協力よりも、先ほどの生配信がどんな反響を呼んでいるのか、再生数が気になるらしい。徳憲と話す間もちらちらとスマートホンを一瞥しており、捜査中は使用を控えるよう注意しなければならなかった。
「鴨志田さんのご職業は?」
「見ての通り、ユーチューバーッスよ」
「ゆーちゅーば? ……ああ」
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