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(あれ、なんだか温かい。)
初めて感じる温かさに気づき、ゆっくりと目を開けた。
「あぅぁ?」
(ここはどこだろう?)
目を開いてまず飛び込んできたのは真っ黒な壁に真っ白いいすや机、どれもこれもとってもきれいで大きかった。
ガチャッ
そんなことを思っていると、ドアの開く音がした。
その音の方を見ると漆黒の髪に、深い藍色の瞳が目を引く顔立ちの整った15,16歳くらいの青年が立っていた。
青年「起きたのか。痛いところとかあるか?」
そう言って青年は僕の方に近づいてきた。
とてもやさしい声だった。
初めてだった。
こんなにやさしい声で話しかけられたことも、心配されたことも、こんなきれいな場所に寝ていることも、すべて初めてのことで胸のところがあつくなった。
青年「どうしたんだ⁈」
急に青年が慌てだした。
どうしたんだろうか。
青年「泣いてる。やっぱりどっか痛いのか?見せてごらん。」
泣いている?
僕が涙を流していることに焦っているの?
どうして怒らないのだろうか。
村の人たちは僕が泣くと汚いと言ってすっごく怒った。
いつからだろうか、僕が涙というものを流さなくなったのは…。
「うぅうあ?」(どうして焦っているの?)
そう聞きたかったが僕はうまく声が出なかった。
青年「こえがでないのか?」
そんな青年の問いかけに僕は首を縦に振った。
青年「字は書ける?」
次の問いかけには首を横に振った。
僕が字を書けるはずがないのだ。
今までそんなものに振れたことがない僕は少し字が読める程度の学力しかない。
青年「しょうがない…。」
そう青年が言った。
やっぱり僕はまた拒絶されるのだろうか。
?【そんなことしないよ。大丈夫。】
急に頭に声が響いきた。
「あ、あう⁈」(な、なに⁈)
青年【ああ、驚かせてすまない。今君の前にいる俺が念話という魔法をつっかて脳内に直接声を届けているんだ。】
そう青年は言った。
【え、と助けてくれてありがとう…です。】
ルイ【ああ、君が元気になってよかった。俺は放浪冒険者のルイフォール・シーンだ。ルイと呼んでくれると嬉しい。ところで君の名前を教えてくれるか?】
そう言うと青年、ルイはこちらに笑顔を見せた。
【え、と…僕は忌み子って言うです。】
僕がそうルイに名前を教えると急に怖い顔になった。
何か悪いことを僕はしてしまったのだろうか。
そう思っているとルイが声をかけてきた。
ルイ【君の記憶を少し見させてもらってもいいか?】
ルイは僕にそう言ってきた。
そんなこともできるんだと思いながらルイに見てもいいことを伝えた。
ルイが僕を抱きしめるまで後数秒…
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