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腐女子と私
「……ていう光景をみたんだよ。昨日さ」
顔を赤く染めてウキウキと話す友人に、私は仏スマイルで首を縦に振った。
「あー。んで、アンタはその会話をどこで聞いてたわけ?」
ようやくそれだけ聞いてみた。
「んとね。2人が座ってる席のすぐ後ろ」
「へぇぇ」
盗み聞きか。バッチリ盗み聞きだ。しかも悪びれないのか。
「あたし耳が良いから!」
そういう問題じゃあねぇよ。
「2人の会話、必死でメモしてたら店出ていっちゃって……もっとちゃんと顔見とけば良かったぁ!」
悔しがるな。拳を握るな。テーブル叩くな。壊れる!
「チラッと見たところ、二人とも結構イケメンでもうときめいたよ!」
腐女子として、だろう。
「……ン。良かったねぇ」
あたしはぬるい笑顔で頷いた。
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