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第16話 夏祭り「最終回」
幼い頃、二人で観た長岡の花火大会の話をしていた僕とサツキは、その当時、僕がサツキに言った言葉をサツキは覚えていてくれたのだ。
そして、その時の僕の気持ちが今でも変わっていないか、サツキは僕に確かめたのだった。僕はサツキが自分に対する好きだと言う感情がある事を確認する事が出来た。
すると自分の中に押し込めていた感情が、言葉として溢れ出たのだ。その言葉とは、次の様な言葉であった。
「サツキ… 俺もだよ、今でもサツキの事、好きだよ」
満天の夜空を染め上げる花火が二人を照らし、その輝きと音で二人の心は突き動かされ鼓動となって鳴り響いた。もう言葉にする必要も無い、二人は時折見つめ合い、そして花火を眺めていたのだ。
この夏の花火大会から僕とサツキの恋は再び始まった。だがサツキは都会の大学に進学してから、僕とサツキは次第に連絡を取る事も無くなって行ったのだ。
そして僕は親の家業を継ぎ、今では地元の新潟市で小料理屋を営んでいる。友達の話によるとサツキは東京の大学に進学し、今では結婚して子供もいるらしい。
そんなサツキは僕に初恋を教えてくれた大切な想いでの女性として、今でも僕の心のアルバムの中にあるのだった。
おわり
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