第5話 夏祭り

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第5話 夏祭り

 サツキと一緒に金魚すくいの屋台へと向かった僕は、屋台まで来ると屋台のおじさんに、こう話し掛けた。 「すいません、ふたり分の(ぽい)を…」  こう僕が屋台のおじさんに話し掛けると、屋台のおじさんは二人に向かってこう言ったのだ。 「お、若い(しゅう)、今日は彼女とデートか?」  そう屋台のおじさんが、僕達に向かって言って来たのだ。その時、僕は何と答えたら良いか迷った。するとサツキは、屋台のおじさんに向かってこう答えたのだ。 「わたし達、幼馴染(おさななじみ)なんです。今日は昔みたいにデートかな…」  サツキのこの言葉を聴いた僕は、サツキが自分の事を幼馴染(おさななじみ)として見ているのか、それともひとりの男性として見ているのか、とても気になった。  そして屋台のおじさんから渡された金魚すくいの(ぽい)(わん)を、僕がサツキに手渡すと、サツキはにっこり笑い(うれ)しそうな顔をしたのだ。そのサツキの表情を見て、僕はサツキにこう言った。 「よーし、サツキ。昔みたいに、金魚すくい勝負だからなぁ…」  そう僕がサツキに言うと、サツキも僕に向かってこう言ったのだ。 「わたしも、ハヤトくんに負けないんだから…」  この時、僕は(おさな)い頃にタイムスリップしたかの様な錯覚(さっかく)(おちい)ったのであった。 つづく…
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