第三話 始まりの情事

4/10
前へ
/44ページ
次へ
 ジーンズと下着を脱ぎ捨て下半身を露わにした先生を横目に、僕は頭が真っ白になったままパンツを脱いだ。 「ははっ、お前興奮しすぎ」  自分のグレーのパンツが、先走りの液で滲んで色が変わっているのを、そして中心が盛り上がっているのを目にして、僕は顔が沸騰しそうなほど熱くなった。 「……ま、童貞で処女なら仕方ねえか」  一瞬何か先生の表情が優しくなったように感じたが、すぐに背を向けてガラス張りのシャワールームに入っていったので正確には分からなかった。 「身体だけな。どうせ風呂入ってきたんだろ」  シャワーヘッドを取り、レバーを操作して湯を出すと自分の身体、そして僕の身体に掛ける。そうしている間にも、僕はぼうっとしたまま先生の裸を見ていた。  と、先生は悪戯っぽい表情で僕に身体を寄せて、僕の尻を撫でた。そしてシャワーヘッドを僕の後ろに向けると、指をその間に挿し入れた。 「っ……ん、ぅ……」 「へえ……綺麗にしてきたんだな、ちゃんと」  指が一本、中を拡げるように挿入ってくるのが分かる。異物感がして心地良いという感覚は無かったが、先生と密着しているという状況が僕を高揚させていた。 「……あっ」  先生が僕の胸に顔を寄せ、舌で上向いた突起を舐める。甘い刺激が伝わり、身体がびくんと震えた。 「風岡って、胸弱いのな。今中が動いたぜ」  孔に指を挿入れられたまま、乳頭を何度も舌で愛撫されると、体中の血液が沸騰したかのように熱くなって、この快感から逃れたいような、でも続けて欲しいと思う、堪らない気持ちになる。 「……じゃあ後はベッドで、な」  と、僕の気持ちとは裏腹に先生はあっさりと愛撫をやめ、シャワーを止めた。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加