第三話 始まりの情事

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「お前さ、自分で弄ったことねえだろ、これ。結構解さねえと痛いぞ」 「……すみませ、っ」  鈍い痛みを覚えて下半身を見ると、先生が二本目の指を挿入していた。そして、先生が二本の指を中を拡げるように動かし始めると、両腿の間から艶めかしい水音がし始め羞恥心のあまり顔を背ける。 「目逸らすなよ。お前の身体がどんだけエロいか、ちゃんと見とけ」  と言うと、先生は僕の片足を掴んで脚をもっと広げさせた。そして、三本目の指を無理矢理挿し入れる。 「っ、う……あ……」  あまりの異物感と鈍痛、狭いところを強引に拓かれる感覚、そして腹の真ん中辺りがむず痒いような感じを覚えた。 「処女でも解せば、三本も入るんだな」  指がぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てて自分の中を出たり入ったりするのを見ながら羞恥と自分で持て余すほどの疼きに身体をくねらせる。 「せん、せっ……身体が熱、くて……も、っ……」  全身の血が沸騰したかのように熱く、身体の奥の方が燻り始めて、「早く」と何かを急いていた。  唐突に異物感が無くなる。先生が僕の中から指を引き抜いていた。  苦しかったはずなのに、止めて欲しかったはずなのに、仄かに火を点し始めていた身体には、その指から与えられていた刺激さえ名残り惜しく思えた。 「そんなに欲しがらなくてもくれてやるって」  僕の孔は、指が入っていた時のように口を半開きにしたまま、ひくひくといやらしく誘うように動いていた。恥ずかしくて顔を背けそうになったが、先生が小さな袋を口に咥えて、片手で破いて中身を取り出すのを見る。  僕は、思わずごくりと唾を飲み込んだ。いつからだったのだろう。先生の茎が、勃ち上がっている。
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