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誰もが私が悪者だと思っているのだろうか?そんなはずはないと頭のどこかでは分かっているけど、心は簡単に言うことを聞かない。
クラス中の人から蔑まれているような気さえする。陽夏はもちろん、三宅くんの顔も他のみんなの顔も、まともに見られない。
昇降口でノロノロと靴を履き替えた。校門へと向かう足が、こんなに重かった事は今までになかった。
ネガティブな思考は下降の一途で、世界中で独りぼっちなのは自分だけのような気持で歩いていた。下校時間の騒々しさもどこか自分とはかけ離れた世界で、自分だけ透明な箱の中に閉じ込められたような。
「ゆーなーちゃん!」
「ひゃっ」
名前を呼ばれ、肩をポンっと軽く叩かれた。急なことで体が大きくビクンと跳ねた。
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