#1 test

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「あー無理無理。こんなの、無理ゲーだわ。」 「響木クン、匙を投げるのが早いです。」 「声だけは立派だがな…。」 「キャップーりっつがお手上げだってー。」 「俺はお手上げとは言ってない。誤解を招く発言は止め給え。」 「えーそうじゃないのー?」 奏出はいつでもどこでも、幼馴染の律川をいじらずには居られない男なのだ。それを分かっていても結局、のってしまう律川。 このお決まりの構図に慣れた三人は無視を決め込むのだった。 「あららー、虫の息だねー。今まで勉強してこなかったツケが回してきたようだと思えば、気は楽だと思うっす。」 「どこが気が楽なんだよ!」 「響木クンを煽るなんてやりますねー。あの詩葉クンですら、響木クンを滅多に煽らないんですけどね…。」 「そういえば、詩葉は呼ばないのか?」 「あいつに勉強とか、教わったら…何か更に疲れそうじゃん。」 「酷いです、響木クン。」 「ここには居ないけど、かけちゃんは詩くんのこと、苦手だもんね。」 鍵崎が言うとばつが悪そうな顔をして目を逸らす響木。 幼馴染の鍵崎からカミングアウトされて吹っ切れたのか、今度は本音を語る。 「んー何ていうかー、詩葉は何、考えてるか掴めねぇんだよ。頭もいいし、軽音部の部長だし、何でもできるし…同級生の中では不気味な感じ。」 「確かに詩葉クンは大人っぽいですよね。考え方も聡明です。」 「つばさんとかけるんに一目、置かれてるキャップ、羨ましいっす!」 「褒めているものの、響木は苦手と言っているが…。」 勉強が進むどころか、雑談がヒートアップしているメンバーたち。 最早、シャーペンを持つことすら、放棄している。
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