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すると突然監督が入って来た 私は今の話がついたのと一瞬思ったがそうでない事はすぐわかった 監督の顔が顔面蒼白だったのだ 監督は私の方に一直線につかつかとやってきた 監督は言った ヤマよく聞け 兄貴が入院した  監督が兄貴と呼ぶのはあのプロデューサーのことである 監督は助監督時代 テレビの仕事の時はadのような役回りをしていて その時現場ではキャメラをまわしていた当時のプロデューサーに公私とも面倒を見てもらっていた  私は言った あのかなり悪いんですか  ミーティングの途中に報告してくるわけだから ただ入院という事はありえない 監督は言った それははっきりしないんだが意識が戻らないらしい 私はびっくりした 私は狼狽して監督に言った すぐ行かれるんですか 監督は言った そうしたいんだが この状態じゃ それから監督は多少不快な顔をして言った それに兄貴はお前を呼んでるんだって 私は言った えっでも今意識がないって 監督は言った うわ言だよ うわごとで兄貴はお前の名前を呼んでるらしい 姉さんから今そういう連絡が来た お前ここはいいからすぐ行け 私は言った えっでも 監督は言った お前の出は後でカットインするから安心しろ   
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