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息はしてるんだろうなちゃんと 少しばかげた考え方だが私の不安はまだぬぐいされてはいなかった というのもどうしてもこの部屋に入った時私の楽観的な妄想を押し流すように私の脳裏に飛び込んできた負のイメージが私の心をとらえてはなさなかったからだ しかしだからといって容態もわからないプロデューサーに声をかけるわけにはいかない それに意識が戻らないとも聞いているので余計声掛けには躊躇した 私はせめて寝息でも聞き取ろうとゆっくりプロデューサーに近づいた 少し近づいても寝息を聞き取ることはできなかった 私はさらに近づいた やはり聞き取れない 私の不安はどんどん増していった そして私は通常なら聞き取れる場所まで重い体を移動させた 足の力が入らない 少しよろめいていた さきほどの負のイメージが私の頭に広がってくる   しかし息は聞きとる事が出来なかった 呼吸をしてない 私は頭がパニックになりそうになった 脈動が上がり血圧が一挙に上昇した 朦朧とした頭を総動員して私は現実を把握しようとした まず本当に心臓が動いていないのか 呼吸が不規則な人はいるのだ しかし私が近づく段階においても呼吸をしていなかったとしたら 私の頭に負の感情が容赦なく流入してきた まず外に知らせなければ 私はナースコールを探した しかしナースコールはベットと壁の間に落ちていた 線をたぐればいいのだがそのためには上半身でプロデューサーの上をまたがなければならない 大変危険である ナースを呼びに行くか しかしナースセンターはエレベーターの方にあり そのエレベーターは少し遠い そんな暇があったら心臓マッサージをためすべきでは 確かすぐ出た廊下に電気ショックがおいてあったはず しかし私はあれを扱えるのか その時プロデューサーの息の音が聞こえた そして小刻みに呼吸が続いた 私は力が抜けその場に座り込んだ
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