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「戻るよ。僕の一番は不動だから、失う訳にはいかない」
翼少年はそう言って姫の手を取った。
これまでも数々の浮気な行動を取り、可愛い女の子が滅法好きな翼少年であったが、姫がこれまでも許せてこれたのは、翼少年にとって、姫が不動のナンバーワンであり続けたからだ。
そう言われると、何時もの如く姫の怒りは、嵐の後の潮の引いた砂浜のように、穏やかで平穏な物へと急激に戻っていった。
姫にとっては魔法の言葉である。
そんな二人を、家来達は微笑ましく見ていた。
翼少年は地球を振り返る事なく、自分達の星へと帰ってしまった。
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