1ヶ月

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1ヶ月

「今日で一ヶ月かぁ……」 颯太が北海道に研修に行って。 先月から全く連絡が取れない。 何だか嫌な予感しかしなかった。 胸騒ぎがするというか。 *********** 『由貴くん!』 「颯太?」 颯太帰ってきたのか? 『帰ってきた?違うよ。俺さ好きな子できたんだ!』 『俺の新しい彼女。やっぱりさ女の子がいいし?いくら由貴くんが女の子みたいでも』 『そう言うわけだから』 颯太は一方的に別れをつげ女性と消えた。 なんで? あれは嘘だったのか? 『由貴くん好きだよ』 毎日のように言っていたあの言葉は。 誕生日にくれた指輪も。 全て嘘だったのか? なぁ、颯太。 答えてくれよ。 「え?夢?」 ははっ。 やけにリアルな夢だったな。 っヤバイ。 「ゴホッゲホッ」 「由貴ーお前な朝っぱらうるさいぞ」 「陸也っごめっう"っ」 「大丈夫か?風邪引いたか?」 違う。 風邪じゃない。 昔から精神的にくると。 吐き気と熱が出る。 吐き気が治まるまで陸也は背中をさすってくれた。 颯太がしてくれたように。 「由貴。今日は休んどけ」 吐き気が治まるも動けない俺を陸也は部屋まで連れてきてくれた。 *********** 目を覚ますと頭はぼーっとするし。 体が熱くなっていた。 「由貴。飯食えるか?」 「陸也?飯は」 !? ヤバイ目がまわる。 「食えないな。ゼリーとか作ってやるから待ってろ」 情けない。 あんな夢みたくらいで。 颯太。 無事だよな? どこにも行かないよな? あんな夢をみたからか。 不安で 不安で 仕方なかった。
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