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午前5時の割に目覚めは悪くなかった。 白み始めた空に優しく起こされた様だ。 隣には愛する人が静かな寝息を立てて眠っている。 「欲しいものを奪う気持ちがわかるような気がする」ふと誰かが言った言葉を思い出した。 湧き上がる焦燥感をかき消す様に彼に手を重ねると、指輪が微かに冷たかった。 そのまま薄い闇の中で目を閉じて、再び眠りについた。
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