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よく晴れた午後、 埃っぽい風が吹く日だった。 向こう側で信号を待つ男は、3年前に愛した男に違いなかった。 腕に子供を抱え、奥さんと思われる女性と3人で楽しそうに話していた。 信号が青になり、彼とすれ違う。 聞き覚えのある声が通り過ぎていった。 向かい合う雑踏の中で、3年前の朧げな記憶が、一瞬だけ鮮明になった気がした。
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