第1章 【 働きたい魔王様 】

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第1章 【 働きたい魔王様 】

「ここが人間界かー!」 魔法陣に軽快にジャンプしたかと思えば一瞬で地に降り立つ魔王。 高層ビルの屋上であろう場所でたくさんの建物を見渡しながらうんうん、とにこやかに笑っては微笑んだ。 所々で鳴るクラクションの音に鳥のさえずり、空を飛び回るヘリコプター等魔王の目には新鮮に見えた。 素晴らしい!と黒いマントを翻しながら両手を上げては太陽を見る。 「人間界には太陽が1つしかないのか?月とやらはどこだ?」 キョロキョロと360℃当たりを見渡すもぽつんと空に浮かぶのは太陽のみ。 はて?と首をかしげつつ魔王は骸骨である秘書に言われた言葉を思い出す。 『魔力が使えなければ生きていく為の瘴気もない』 その言葉を思い出しその場で「うっ…」と膝をつく魔王。 同時に方も揺れ始め顔がどんどん下へと下がっていく。 「ふっ…ふっははは!全然ピンピンしとるではないか!!魔力も…使える!!瘴気…はなくとも体に目立った箇所もない!」 素晴らしい!と口癖のように放つと魔王はパチン、と指を鳴らす。 シュルル、と音を立てては派手だったThe☆魔王の服装からサラリーマンのようなスーツ姿に服装を変えた。 人間界の正装を念じながら指を鳴らすと(あらわ)になった服に「地味…」と漏れる。 しかしこれが正装であれば仕方がないと納得しつつまたもや頭上に魔法陣を出現させた。 何をしたらいいのかわからず魔王はまずは人間について調べねば!と魔法陣の中へとジャンプしては吸い込まれた。 「いざ!人間のことが分かる場所へ!」
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