君がくれた、最後のプレゼント

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「自分の大切な存在を見失わないでね。永輝、後悔しないで」 俺の顔にみやの顔が近づいて、唇を重ねた。 みやとする久しぶりのキス。 そのキスを最後に、薄くなっていったみやの身体は完全に消え失せた。 「どうしろってんだよ.......これ」 みやが食べたいと言ったから買った焼きそばとお好み焼き。 一緒に食べるための箸が2膳はいっている。 それは、さっきまでここにみやがいたというのを証明しているもので、俺はなんだか心が暖かくなった。 「俺が、みやに悪いと思って結婚やめようとしてたから、喝入れに来たんか.......」 俺は、2人で夏祭りに来ていたときによく座っていた石段で焼きそばのパックを開ける。 「ふっ、みやは食べれなくて残念だな。うまいぞ、これ」 1口食べてから、俺の瞳からは涙が零れおちる。 「そういえば、俺.......みやが死んでから一度もないてなかったな.......」 涙を拭いてもう一口、もう一口と食べてる間も涙は変わらず流れ続ける。 「大好きだよ。これまでもこの先も.......」 でも、俺のことを見守ってくれていた大切な存在を今度こそ見失いたくはないから。 同じ過ちはもう繰り返さないと、みやが教えてくれた。 これは、きっとみやがくれた最後のプレゼントなのかもしれないな。 「みやの言葉で決心がついた。ありがとう」 そう心に決めたとき、夜空でみやが微笑んでいた気がした。
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