929人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
勿論、太っていても痩せていても群司さんの私への愛情の深さはなんら変わりはないと思うけれど。
「群司さん……ひょっとして痩せた私は嫌い、なの?」
「え」
単刀直入に訊いてみた。
群司さんは前に女性の体型は気にならない、健康であればどんな体型の女性だって綺麗だといっていたけれど、痩せ出した私にいつも何かを気にかけているところがあってそれが少し気になっていたのだ。
「だっていつも『ちゃんと食べているか』とか『病気じゃないのか』って……まるで痩せたらいけないみたいなことをいうから」
「……」
「前の、出会った頃の体型の私の方が好きだったのかなって思ってしまって」
「……」
「私が群司さんのために綺麗になって痩せたいと思っている気持ちはひょっとしたら──」
「違う!」
「!」
話を遮って群司さんはいきなり強くキスした。押し当てられた唇はこじ開けられ、群司さんの熱い舌が私の中に滑り込んだ。
口内のあらゆるところを擦られ、吸い付かれ、息も絶え絶えになる頃にやっと放してもらえた。
「はぁはぁ……あっ、はぁあ……」
「違うんだ、茜」
「……え」
「茜は前も今も何も変わっていない。茜自身の可愛いらしさは何ひとつ変わっていない!」
「か、可愛いって」
恥ずかしながらそれは付き合っている時から頻繁にいわれていた。
最初のコメントを投稿しよう!