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痩せた私は世間的には『可愛い』と認識される女なのだと知ったのはちょっとした衝撃だった。
私の両親は痩せた私に対して群司さんと同様の心配をしていたから、今の私は【不健康】なのだという認識しかなかった。
だから結婚式の時に参加した人たちから『素敵』だの『綺麗』だと浴びせられた言葉は結婚式という特別な場所、環境から生じる社交辞令だと思っていたのだ。
「私、綺麗……なの?」
「えっ、自覚ないの?」
「全然」
「~~あぁーヤバい、マジでヤバい!」
盛大にため息をつきながら群司さんは私の中に挿入れていたモノをグッと奥へと押した。
「ひゃぁん」
「その自覚の無さ……天然ぶり……見かけの可愛らしさと合わさって本当、他の男が放っておく訳がない!」
「あぁぁっん、群司さん、激しいっ」
急に腰を振り出した群司さんは私の中を激しく突いた。
「茜、よく覚えておいて。茜は俺の妻だ。だから俺以外の男を見たりしないで」
「そんなの当たり前です!」
「茜……」
群司さんが私の何をそんなに心配しているのか分からないけれど、他の男性に目移りするような軽い女に見えるのかと思われたことが少し悲しかった。
「私には群司さんだけ。見た目の良し悪しで判断しないで私を選んでくれた群司さんだから私は好きになったの」
「……」
「見た目が変わったからっていい寄られてもそんなの私には馬鹿らしいとしか思えない」
「茜っ、茜!」
「あっ」
心から思っている素直な気持ちを吐き出そうと思っていたけれど、私の言葉は群司さんから与えられる激しい行為によって喘ぎ声に変えさせられてしまった。
それから何度も何度も求められ、気が付けば日付が変わっていた──……。
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