934人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「茜から働きたいと相談を受けた。以前茜と見合いした山科という男が話をつけてくれて事務のパートとして雇えるかも知れない、と」
「……あ」
「なぁ、これ、どういうこと? なんで働きたいって……昔の見合い相手の工場にパートって、どういうことだ」
「あの……群司さん」
「茜はそんなに外に出たいのか?」
「え」
「俺のために主婦業をこなすだけの人生はまっぴらだって、そう思っているのか!」
「キャッ!」
群司さんがいきなり凄い力で私の着ていた服を力任せに破いた。
「どうして、どうしていきなりそんな!」
突然のことに委縮してしまい思うように言葉が出てこない私を群司さんは手荒く抱いた。
突然の行為、そして初めて遭遇した恐ろしい気持ちとですっかり乾いてしまっている私の中は郡司さんの侵入を拒んでいたけれど、郡司さんは構わずに無理矢理押し込んだ。
抜いては押し込み、そしてじんわりと染み出た微量の愛液を器用に塗りたくりまた押し込んでは進むを繰り返した。
痛みを伴った挿入が最奥で止まった時、群司さんはか細い声で呟いた。
「どうして……俺のことを愛しているといってくれたのに……それは嘘だったのか」
「……ぐ、群司……さん」
「大事にして来たのに……。本当なら外にだって出したくなかった。ずっと家に閉じ込めて……俺だけしか見ないようにしたかったのに」
「!」
「俺のこと……嫌になったのか、茜」
「……」
私はこの時になってようやく思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!