第2話 ハロウィンパーティー

1/1
前へ
/15ページ
次へ

第2話 ハロウィンパーティー

 私は新学期が始まり、中学時代の親友で有るアユミに、今年のハロウィンをどうするか聴いてみる事にした。そしてこんな話を私はアユミに持ち掛けたのだ。 「アユミ 今年のハロウィンどうする?」  するとアユミから、こんな言葉が返って来た。 「実はわたし、学校の文化祭の実行委員をやってて(いそが)しくて…」  こんな電話口での知らせを受けた私は、ちょっと残念そうな声でアユミにこう言った。 「そうだよね。アユミの高校も来月、文化祭だから忙しいよね…」  そして夏休み明けのお互いの近況などを語り合い、電話を切ったのだ。この時、私は自分がとても(みじ)めで悲しく、また居た(たま)れない感情を覚えた。  しかしそのやり場のない感情をぶつける(はず)の親とも、私は(ほとん)ど口を()いて居なかった。また私には、ひとつ下の弟が居たのだが、両親は自分より勉強の出来る弟の事を何時(いつ)可愛(かわい)がって居ると思って居たのだ。  そんな私の唯一の救いは愛犬のベスであった。私は家族の誰よりベスの事を可愛(かわい)がっていたので、ベスも私に一番 (なつ)いていたのだ。そしてこのベスが、私のハロウィンを救うキッカケとなるのであった。 つづく…
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加