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五切れ
ノゾミは硬く手を握りしめたままだ。
珍しく押し黙って、車窓の景色をじっと眺めている。えじきがその横顔を盗み見ても、姫Chaaan!がスマホで新しいニュースを見つけて「あー」と言っても、電車の進行方向ただ一点から少しも反応を逸らさない。ひょっとしたら、彼女は映画の千尋になった気分なのかもしれぬ。
ならば駅名は沼の底だ。
えじきはため息を吐く。
便宜上「三連脳みそ」さんと呼ぶことにしたその人にノゾミはリプを送り、今どこなのか、そこはもしかして都内で一番高いツリーの展望台なのではないか、今からCDを持ってそっちへ行くが、良いか……そんな感じの内容を送って電車に飛び乗った。日本語はとりあえず、ネットで翻訳。
返事は超簡素な「OK!」のみである。
今、学校はどうなっているだろうか。えじきは先生やクラスメイトたちの様子を思い浮かべた。午後の授業は世界史や英語など、彼女にとって結構重要な授業が並んでいた。
それを脇へ置いたとしても、相手はシルバアさんの名前を知っている人物だ。シルバアさんはインスタ等、所謂普通のSNSアカウントは一切持っていない。これは以前やり取りした時に直接訊いたので、ほぼ間違いないだろう。まぁそこはネット上のこと、人はいくつでも秘密を持つことができる。本当にプライベートな内容しか載せないので、バンドのメンバーには言わなかった、ということも十分あり得るだろう。
だがシルバアさんの名前を知っているということは、本当に本人か、セッションSNSを使ったことのある人物に間違いないのだ。
えじきの心配はそこが起点になる。
ノゾミは行動力こそあるが、別に自分で何かを作ろうと思う様な性質ではない。友人として一緒にいるから良く分かる。彼女はできた物を待っている人なのだ。したがって、自ら作る系の人種が集まるサイトは見たことがない。世の中、マックスの様に誰とでも何でも気楽に話してくれる人間ばかりではないということを、ノゾミは考えたことがあるのだろうか?
[マジ誰なんだろ、この人]
[いおりくんやマックスの、べつアカとかでもなさそうだよね]
姫から返事が返ってくる。えじきは「んぅ(ふー)」と唸ると、ふっと手を止め、またスマホの画面を打ち始めた。
[マジヤバい。不安しかない]
[なにが?]
[……ノゾミの出方の話……もしホントに相手方もメンバーだった時に、変なフレンドリー感で突っ込んでって爆死したらやだな、っていうね……]
[あー……]
唯一、一連の考えを姫とラインで話し合うことができたのが緊張の緩和に繋がった。こんな時、文明の利器にはちゃんとお礼を言っておかねばなるまい。
[マジで色んな人がいるじゃん?]
[うん]
[ああやって気さくな人もいれば、プライドなのかな……同業者以外とは話したくないって人もいてさ]
[そうだね。ものをつくったことのないひとと、なにをはなせばいいのかわかんないっていうひともいるよね]
[うん、隠しときたいって人とか]
[ぎゃくに、ぜんぜんかんけーないひととしかつきあわないひと、とかね。いるもんね]
[そぉそぉ]
相手が自分のことを只の人として見てくれるかどうか、というのは、えじきの中でも結構重要な要素の一つである。加えて、小さなコミュニティに留めておきたいという気持ちは、活動を始めて今に至るまで変わっていない。ポジションに敏感、ということなのだろうか。
[意外と多いよねぇそういう人。ネットで音楽してる人がみんなパリピな訳じゃないし、自分と友だちになりたい人が、どうして友だちになりたいのか、鋭く見てるっていうか]
[うん……でもそういうのってさ……]
「そう」
結局外側を剥がせば芯は同じ。どんな人間関係でも同じ、なのだろう。
ノゾミは今までの二ケースだけで、今回の人も自分と同じ土俵で会話してくれるだろうと思っているのではないか……えじきにとって、それが目下一番の心配なのだ。
スプリング。
不意に、ノゾミが重い息を吐き出して座席に座り直した。
「何やってんのっ?」
何やらウキウキした声音でえじきの手元を覗き込む。
コンマ数秒遅れていたら、画面を見られるところだった。えじきは唐突な冷や汗に震えた。
「えぇ? いや他にどんな人が『CAKE』買ってんのかなぁぁぁって思って」
「ふ~ん……ね~アイ所でさ~、このシルバーサン? ってタグ何だろう?」
「あぁ、それねぇ。何なんだろうね」
目を配ると、姫もうーんと唸る。逆に教えてほしい。
「三連脳みそさんの事なのかな~? 何かコンテンツの名前とか?」
「さー、どういうことなのかな……ぜんぜんわかんない」
「よね~~ユーも分かんないか」
でも、と姫は引き継ぐ。一呼吸置く。
「いまからウチら、マジでしらないひとにあいにいくわけじゃん? きをつけないと」
えじきとノゾミは拳を強く握りしめて頷く。
窓の外には都心の密集地帯がどんどん近付いてくる。だが、ノゾミへの秘密を二人で共有しているという後ろめたい気持ちは、電車のスピード程度では置き去りにできなかった。
ノゾミは……もしもえじきが秘密を打ち明けたら、態度を変えたりしないだろうか?
地元出発から一時間弱、三人の女子高生は塔の麓へとたどり着いた。
平日だろうが何だろうが、ここは世界の観光スポット。外国からのお客さんは圧倒的である。土産物エリアに多少心を奪われつつも、えじきたちは展望台へのエレベーターに駆け込み……
「お客様、チケットはお持ちでしょうか?」
駆け込めなかった。
「チクショウ、痛い出費だ……!!」
「私のお小遣いがぁぁ!」
「コンビニスイーツなんこぶんかな……」
「アイ、ユー、済まないがここは耐えてくれ……っ!」
エレベーターの案内スタッフに笑顔で制止され、三人は観光客の列に並んで泣く泣く展望台へのチケットを購入した。
展望台へのエレベーターに乗り込み、長い上昇圧がようやく収まり扉が開くと、三人のBPMは俄然早まった。他の乗客が降りるのを待ってから、三人はエレベーターを降りて小走りに展望デッキ内の隅々まで、六つの瞳でさらう。
ノゾミは判別し易い様にだろう、CDを自身の手前に掲げていた。
耳に飛び込んでくるのは英語英語中国語中国語中国語、フランス語タイ語韓国語韓国語タイ語フランス語ドイツ語ドイツ語英語ヒンディー語……エトセトラ。
そんな中、
「来ました、来ましたよ」
「リアリ?」
不意に耳に入ってきた英語にえじきは思わず立ち止まった。
「ちょ、ストップ! ストップ、二人とも!」
「どうしたのアイ……!」
捜索を中断させられたノゾミがバックする。二人はぱっとえじきの視線の先を辿る。
不思議な組み合わせの男女が立っていた。背中を預けるのも恐ろしい程のクリアな展望ガラス。手すりすら無い場所に寄りかかり、CDを片手に手を振っている。
一人は中南米系の黒髪スーツ姿の男で、モデルの様にスラリとした体形に目を奪われる。もう一人は滑らかな黒い肌にペールピンクのショートヘアーという出で立ちの、妙齢の女性だった。
「待っていたわMy friend」
「いや同志ですよ、同志」
女性の呼びかけに呆気に取られる。マ、マイフレンドって……とえじきは口の中で呟く。それに、男性は同志と言った。何故? まさか、本当に?
サッと姫を見やる。彼女も口の中でマイフレンドを反芻している様だった。
「アイ、今何て?」
英語で良く分からないノゾミが、えじきにこそっと尋ねる。
「マイフレンドは分かると思うけど、なんか……同志、仲間が来たって」
「さっすが英語トップ……で、仲間? CD集めの?」
「待って、訊いてみる」
仲間と聞いてワク……と前のめるノゾミを宥めて、えじきは彼らに近付く。
「初めまして、突然すみません。そのCD、写真の通りですね……あの、貴方たちはいったい……?」
えじきが注意深く尋ねると、ペールピンクの女性は簡素に答えた。
「メンバを、探しているのよ」
女性詞……古風な口調が印象的である。
「メンバァ……?」
「そうよ。これで私達を訪ねて来たのは、お嬢さん達で三組目」
「え、私たちの他に後二組も来てたんですか?」
すると、
「ああ、全く……全く無関係の人たちでしたけどね」
スーツの男性が頭をゆったりと振って、情報を付け加える。
「む、無関係、ですか」
たじろぐ。えじきは思う。これは、この人たちは、ちょっと本当に丁寧に接しないとマズイかも知れない。背後ではノゾミが肩をそっと叩いてくる。
「アイ、何て言ったの?」
「メンバァを探してる、って。ウチらで三組目らしい。で……ちょっと口調からも関係ない人には興味ないっぽい、あ」
「そのメンバーって、CD集めのメンバーですか? それともパイライトのって意味ですかっ?」
ノゾミが前に出ていた。
男女ははてなの視線を交わす。
「あぁ、えっと、お探しなのはCD集めの協力者か、それともパイライトの……バンドメンバァの方ですか?」
えじきの通訳に、女性は的を得て頷いた。
「はっきり言うと私達、バンドのメンバを探しているのよ」
「あぁバンドの方……えっとお二人はその、メンバァなんですか?」
「さあ、それは貴女達が誰なのかによるわ」
女性は社交的な微笑みを浮かべて切り返してくる。そう簡単に名乗ってはくれそうもない。えじきがどう返そうか戸惑うと、スーツの男が話しかける。
「お嬢さん、silver-sanのタグは見てくれましたか? エジキ・アイバを知っていますか? まずはそれを教えてもらってからでないと、お答えできません……本当に、本当に申し訳ないのですが」
えじきは必死に言葉を探した。テンポが。間が伸びる。気持ち悪い。エジキ・アイバ、饗庭えじきのことでそれは勿論自分だ。ついでに言うなら姫Chaaan!も一緒だ。すぐそこにいる。しかし。
しかし。
目の前の二人がどういった理由で自分を探しているのか、そもそも探している本人たちが何者なのかすら教えてくれなさそうなこの状況で、一方的にこちらだけ情報を開示して欲しいと言われても難しいだろう。それともプライバシーに疎そうな日本の女子高生はチョロイと思われているのだろうか。えじきの呼吸は自然と大きくなる。こちらにはノゾミもいる。えじき本人の事情を押すなら、ここは簡単に正体を明かす訳にはいかない。
「ね、今エジキ・アイバって言った!?」
「メンバーをさがしてんだ……」
「あ、うん。えぇと……ユー、ノゾミ。上手く言えないんだけど……とりあえずこの人たち、バンドメンバァを探してるけど自分たちの詳しいことは教えられなくて、でも饗庭えじきは知ってたら教えてほしい……と、いうことらしい」
「は~? 何それ、ウチらメッチャ不利じゃね~!?」
「うん……そうなんだけどさぁ」
ノゾミは如何にもといった風に大きく腕組みをして、憤慨してみせた。
「あの! 幾ら何でも交換条件としてウチらに不利過ぎると思うんですよね!」
「ちょ、ちょっとノゾミ……!」
「そっちがその気なら、逆にこのシルバーサンってタグの事教えて!」
自身の体から血の気が引くのを、えじきは実感した。一番慎重に訊かなきゃならない、一番デカい問いのはずだった。そこにいきなり突っ込むのはマズイ。
日本語でなにやら捲し立てている女子高生に、男女は少し面食らったようだった。顔を見合わせて意味を汲み取ろうと眉間に皺を寄せている。
「アイ翻訳して、お願い!」
「でも」
「情報の有無が欲しいなら、先ずは向こうがシルバーサンってものについて話すべきじゃないっ? 仕掛けてきた方がオープンにしとくべきじゃね!?」
「いや、ウチらだってじょうほうほしいんだから、おなじじゃん……?」
「だけどさユー、向こうが先に仕掛けて来た様なもんじゃん!?」
どうしてこうもノゾミはケンカ腰になる……。これではまるでラノベのライバル組織ではないか。
ノゾミは半歩後ろのえじきの様子をじっと窺って、彼女が口を開くのを決死の表情で見届けようとしている……押される様にして、えじきは渋々ノゾミの言葉を訳して伝えた。
すると。
「……Silver-sanを知らない……? 知らずにここへ来たんですか?」
「であるなら、お嬢さん達はメンバ、或いは関係者のどれでもない、ということになるわね」
案の定、男女はそこに論点を当ててきた。
ほらヤバい。
「アイ、何だって?」
えじきの額に冷や汗が滲む。どうする。伝えた方が良いのか。真実を。今???
シルバアさん、あぁシルバアさんシルバアさん……私は確かに知っているけど。今ここで、正体バラせばノゾミから、なぜに言わぬと責められるやも……。
そんなくだらない連歌を生成してしまうくらい、えじきの思考は現状からスリップする。
「どうやらお嬢さんたちはリスナー……リスナーで、パイライトでは無いようですね……」
スーツの男が諦めムードで言った。女性も肩を落として溜息を吐く。
「Silver-sanの名前を出せば、メンバが来てくれると思ったのだけど……残念だわ」
この状況から逃れたくて。
「ね、アイお願い! さっきから何て言ってるのっ」
「ノ、ノゾミ、ちょっとせかさないであげようよ」
真実を明かしても明かさなくても、どちらにも必ず一つ隠し事をしたことになってしまう。
どうすることもできずに、えじきはフリーズしていた。こんなときの上手い切り抜け方を思い付きたかった。だが残念ながら、彼女は声とギターテク以外は普通の高校生なのだ。
二人の男女は苦悩に縛られた彼女を置き去りにして、ノゾミたちにSollyとか線キューとかBeyとか言って、この邂逅を終わらせにかかっていた。ノゾミは気配で察したのだろう……本題に入る前に門前払いを食らい、そして、以後取り合ってもらえることは無いのだと。だが、気を悪くさせたと詫びてももう遅い。
えじきの手を取る者があった。振り返ると、姫Chaaan!の仕方ないよね、と言いたげな苦笑が彼女の双眸に飛び込んできた。
そのとき、脳みそが弾け飛ぶ。
「あの!」
今目の前にいる姫Chaaan!は、えじきに何をどうした? 彼女がしてくれた様に、えじきもこの二人とそしてノゾミに、打ち明けるべきだ……今ここで!!
残念そうに手を振る男女に、えじきは声をかける。張りつめた弦の様に。
「言おうか迷ってしまってごめんなさい! 貴方たちが誰なのかは分かりませんが、正直に告白します! ノゾミにも……!」
勇気を出すのだアイ! 否、饗庭えじき!!
「私、本当はSilver-sanのこと知ってます。それは私が、饗庭えじきだからです……っ!」
緊張で冷えた手足で。努めてはっきりと。簡単に分かる単語で。えじきは二人とノゾミを信じて申告した。
周囲の人々もいきなり女子高生が声を張り上げたのに驚き、すっかり静まっている。展望台に、覚悟を決めた少女の叫びが反響した。
戸惑う男女が口を開きかける。そこにもう一人。
「う、ウチも! あたし姫Chaaan!です! このこがあいばえじきだっていうのは、ほんとうのことです! だまっててごめんなさいっ! しんじてくださいっ……!」
えじきの横に立って、姫も二人に向けてお辞儀をした。精一杯の英語を添えて。
二人は女子高生たちの唐突な行動に呆気に取られている。
伝えた……もう隠すことは何もない……えじきは酸欠状態で返答を待った。歌い切った時以上に頭が冷えてぐらぐらした。頭を下げて、信じて待つ。待つ。
待つ。
「……そう。ありがとう」
無限と思われた数十秒。ピンクの女性が呟く。
刹那、えじきは顔を挙げて
「普通の女の子たちに、無理させちゃったわね。ごめんなさい」
視界が割れた。
「え」
「だけど厳しいことを言えば、貴女はギターも持ってないし、貴女の喉からエジキ・アイバの音色が出るとは思えないわ」
「CD集めの協力者を募るために演技……演技をしているんですよね? 私たちは今までにも何度もそういった嘘に遭遇してきましたし……その……」
「証明不足なのよ。申し訳ないのだけれど」
男の迂遠な言葉を引き継ぎ、女性はストレートに告げた。
「で、でもあのぉ」
それなら、とえじきは瑕の入った瞳で彼女等を見上げた。しかし、それよりも早くノゾミが友人二人の腕を掴む。
「うん、何かもう駄目そうな事は分かったから、行こう! 嘘吐いて済みませんでした! それじゃ」
早口に言い終わると、特に通訳を頼むこともなく、途方に暮れて固まったえじきと姫を引っ張ってエレベーターに乗り込んだ。
それ以降、脳みそのパンクしたえじきは一言も喋れなかった。
なす術も無く固まっていると、姫に腕を引かれてタワーから降りていた。先頭を歩くノゾミのばつの悪そうな背中が見えた。
「も~二人とも~さっきの英語、流石の私でも分かったよ~」
「ノ、ノゾミ、あのね……あたしたち……」
「マジほんっとに……私の自己中の所為で、アイにめちゃくちゃ負担強いてたよね。ゴメン。ユーもね。ゴメン。ホントに、マジで」
「でも」
「吐かなくても良い嘘、吐かせちゃってさ……っ!」
「……」
「帰ろ!」
日は繁華な街並みに向けて傾きつつあった。
正常な空気を取り戻し始めた展望台の中で、スーツの男はポツリと言う。
「……エリー、我々も次からは、まず多少の情報開示をしてからの方が」
「ダメよ」
ピンクの女性、エレスチャルは厳しく言葉を切る。
「ハンド、またただの一般人に友人みたいな顔されたいの? 貴方を特別扱いしながら、その特別にあやかろうとする人達……貴方、それが気持ち悪いんだって言ってたじゃない」
「確かに……確かにそう言いましたね……」
アレハンドロは頬を掻く。
そうだ。ファン心理のままフレンドリーにされる、というのは彼にとって妙な緊張感があった。だからなるべく公表を避ける。それは隣の彼女も同じである。
疲れるのだ。
明確に『一般人と有名人』という格差を付けておきながら、無理して段差の上に乗ろうとし、そして他者を下に見る。そういう存在が。
特に、エレスチャルは性格も目指す立ち位置も、操る楽器も何もかもが唯一無二だった。故に若い頃から人間関係では様々なトラブルを経験してきた。
どうせ人付き合いするなら同業者同士、それも肩肘張らない緩い関係が良い。真鍮もしくは黄鉄鉱なら、ネット上だけの付き合いである。一度だけ厳しく人を厳選して逢ってみても良いかなと、似た様な人間関係に悩まされてきた二人はそう思ったのだ。
エレスチャルはポルトガルから、そしてアレハンドロはブエノスアイレスから。証拠を出し合って、二人はメンバーだと認め合い、そしてSilver-sanの言葉を頼りに日本へやって来た。
メンバーしか知りえない攻防一体の合言葉で、ハンドは後何日待つかな……と赤い夕陽を見送りながら考えていた。
《 つづく 》
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