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平成二十五年十二月二十四日。前日より少し暖かい。しかも良い天気。巷は
山下達郎の『クリスマス・イブ』で溢れている。
クリスマス・イブ商戦の仕込み部隊として早番だった今日のバイトは、昼上
がりであった。
奇跡的に二十四日午後からと二十五日が、シフトの加減でバイトが空いてし
まった。かと言って何かする事がある訳でもない。
「なあ弘史、今日はクリスマス・イブやろ?何か予定は無いんか?」
空海が俺に声を掛けて来た。
「何や予定て」
「彼女と酒呑み行ったりするんちゃうん?」
「彼女がおらへんわ」
「何でおらへんのや?」
「何でて。二年前に別れたんや」
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