空海は、現代日本で何をする?月明かり編

2/10
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
平成二十五年十二月二十四日。前日より少し暖かい。しかも良い天気。巷は 山下達郎の『クリスマス・イブ』で溢れている。 クリスマス・イブ商戦の仕込み部隊として早番だった今日のバイトは、昼上 がりであった。 奇跡的に二十四日午後からと二十五日が、シフトの加減でバイトが空いてし まった。かと言って何かする事がある訳でもない。 「なあ弘史、今日はクリスマス・イブやろ?何か予定は無いんか?」 空海が俺に声を掛けて来た。 「何や予定て」 「彼女と酒呑み行ったりするんちゃうん?」 「彼女がおらへんわ」 「何でおらへんのや?」 「何でて。二年前に別れたんや」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!